蘭野球事始 ~オランダ野球風説書~

自称日本一オランダの野球に詳しいブログ

2014ホーフトクラッセ 〜後期からプレーオフ~

 季節は秋、野球界にとっては一番盛り上がる時期に突入してきました。オランダ野球リーグ・ホーフトクラッセは8月31日を持ってプレーオフまでの日程を終了いたしました。残すは、オランダ一のチームを決めるオランダシリーズを控えるのみ。今季はプレーオフとオランダシリーズの間に欧州野球選手権を挟むため、1ヶ月近く空く変則的な日程。その間に試合感が鈍らなければいいのですが…
 さて、オランダシリーズで対戦する2チームはと言うと、シーズンを前期後期共に首位で駆け抜けたDOORネプチューンズと、豊富な戦力とチームワークで総合順位2位に着けたL&Dアムステルダムパイレーツです。両チームが順調にプレーオフでも勝ち上がりました。ちなみに来年のヨーロピアカップのオランダ・ホーフトクラッセ代表も両チームになります。また、下位4チームで行われたプレーダウンではMampaeyザ・ホークスが最下位に沈み、2部リーグ優勝チームであるDSSと入れ替え戦を行うことになりました。

 ここで、総合順位とプレーオフ、プレーダウンの順位表を載せておきます。

【総合順位】
HOOFDKLASSE / MAJOR LEAGUE
(Competitie begonnen op donderdag 17 april; bijgewerkt t/m dinsdag 12 augustus)
(Regular Season opened on Thursday, April 17; through games played on Tuesday, August 12)
OVERALL EINDSTAND
OVERALL FINAL STANDINGS G W L T PNT GB PCT. RUNS OPP HOME ROAD DAY NIGHT STREAK
1 DOOR NEPTUNUS (A)(PO)(HK15)(EC) 42 34 7 1 69 - .821 274 99 18 - 3 16 - 4 - 1 19 - 4 15 - 3 - 1 W 2
2 L&D AMSTERDAM PIRATES (B)(PO)(HK15) 42 32 10 - 64 2,5 .762 293 95 16 - 5 16 - 5 17 - 7 15 - 3 W 1
3 CORENDON KINHEIM (B)(PO)(HK15) 42 29 13 - 58 5,5 .690 220 171 15 - 6 14 - 7 16 - 8 13 - 5 W 1
4 VAESSEN PIONIERS (A)(PO)(HK15) 42 27 14 1 55 7 .655 301 161 14 - 6 - 1 13 - 8 15 - 8 12 - 6 - 1 L 1
5 UVV (PO#)(PD) 42 14 25 3 31 19 .369 147 266 5 - 14 - 2 9 - 11 - 1 10 - 14 - 1 4 - 11 - 2 L 1
6 MR. COCKER HCAW (PO#)(PD) 42 12 28 2 26 21,5 .310 144 218 4 - 16 - 1 8 - 12 - 1 8 - 15 4 - 13 - 2 L 2
7 ADO LAKERS (PO#)(PD) 42 9 32 1 19 25 .226 132 336 4 - 17 5 - 15 - 1 6 - 19 3 - 13 - 1 L 1
8 MAMPAEY THE HAWKS (PO#)(PD) 42 6 34 2 14 27,5 .167 140 334 1 - 19 - 1 5 - 15 - 1 4 - 20 - 1 2 - 14 - 1 W 1

プレーオフ
PLAY-OFFS
(Play-Offs begint op donderdag 14 augustus; bijgewerkt t/m zondag 31 augustus)
(Play-Offs opened on Thursday, August 14; through games played on Sunday, August 31)
EINDSTAND PLAY-OFFS
FINAL STANDINGS PLAY-OFFS G W L T PNT GB PCT. RUNS OPP HOME ROAD DAY NIGHT STREAK
1 DOOR NEPTUNUS (A)(HS) 9 6 3 - 47 - .667 43 26 4 - 2 2 - 1 4 - 0 2 - 3 W 2
2 L&D AMSTERDAM PIRATES (B)(HS) 9 6 3 - 44 - .667 29 28 3 - 2 3 - 1 4 - 2 2 - 1 L 2

3 VAESSEN PIONIERS (A)(HS#) 9 4 5 - 36 2 .444 25 30 1 - 2 3 - 3 0 - 4 4 - 1 L 2
4 CORENDON KINHEIM (B)(HS#) 9 2 7 - 33 4 .222 23 36 1 - 3 1 - 4 2 - 4 0 - 3 W 2

【プレーダウン】
PLAY-DOWNS
(Play-Downs begon op donderdag 14 augustus; bijgewerkt t/m donderdag 4 september)
(Play-Downs opened on Thursday, August 14; through games played on Thursday, September 4)
EINDSTAND PLAY-DOWNS
FINAL STANDINGS PLAY-DOWNS G W L T PNT GB PCT. RUNS OPP HOME ROAD DAY NIGHT STREAK
1 UVV (HK15) 9 8 1 - 32 (**) - .889 65 28 6 - 0 2 - 1 3 - 0 5 - 1 W 1
2 MR. COCKER HCAW (HK15) 9 4 5 - 21 4 .444 39 48 3 - 2 1 - 3 3 - 3 1 - 2 L 3
3 ADO LAKERS (HK15) 9 2 7 - 14 6 .222 30 59 1 - 3 1 - 4 2 - 4 1 - 3 L 6
4 MAMPAEY THE HAWKS (X) 9 4 5 - 13 (*) 4 .444 53 52 2 - 1 2 - 4 2 - 2 2 - 3 L 1
参考ページ『Grand Slam』(http://catcher.home.xs4all.nl/bbslam.htm)

プレーオフに進出できる条件はシーズン42試合を半分前期後期に分けて、そのいずれかで2位以内に入ることです。後期の上位2チームが前期のそれと被った場合は、それぞれ3位4位が繰り上がりで進出権を得ます。前期でネプチューンズとパイオニアーズが進出を決めたのは過去の記事で紹介していた通り。後期はアムステルダムパイレーツとコレンドンキンハイムが進出を決めました。これら4チームは直近5年間近くプレーオフに出場し続けており、逆にBクラスのチームはプレーオフから長いこと遠ざかっています。Bクラスのチームは若手が多いのは百も承知ですが、ここ数年の経験を活かして補強を図り、来年こそは1チームでもプレーオフへ届くチームが出るのを期待しておきましょう。
 
さて、本題に戻ります。プレーオフには総合順位でのポイント(1勝利につき2ポイント)の半分が持ち越されます。要するにシーズンの成績がプレーオフでも影響してくるというわけです。プレーオフ開始前での各チームのポイント数がこちら。1位のネプチューンズが35、パイレーツ32、キンハイム29、パイオニアーズ28。プレーオフは各チームと3戦なので合計9試合。ネプチューンズ、パイレーツはこの開始前からのポイント差と、最初の2カードを前者が4勝2敗、後者が5勝1敗で勝ち抜いたので、直接対決を前に共にオランダシリーズを決めたのです。
ネプチューンズは豊富なピッチングスタッフで楽にローテーションを回し、重量打線で相手を圧倒した試合展開をしました。中でもシーズンで最優秀防御率を獲得したインテマ(WBC2013代表)が終始安定したピッチングを披露したことが大きかったでしょう。ホープのファンデルミールはパワフルな打線の中でトップバッターとして足を生かした攻撃に一躍買い、守備においてもショートとしてチームを牽引しました。
 アムステルダムは現在ホーフトクラッセ通算勝利数歴代1位として記録を更新し続けているコルデマンスが怪我で不在の中、オーストラリア人助っ人モーデイらが穴を埋めたのが大きい。また、打線ではポイントゲッターとしての5番が不在でありましたが、シーズン終盤から絶好調状態だったバス・ノーイ(WBC2013代表)を5番に抜擢することで得点力が向上。ノーイが以前から定評のある守備だけでなく、打撃でもチームを引っ張りました。セカンド争いを繰り広げていたアウセムスとハトは、アウセムスが勝利。柔らかいバッティングでチームに数多くの得点のチャンスを齎しました。

直接対決ではネプチューンズが2勝1敗で地力の差を見せつけました。しかし、1ヶ月空くことによりアムステルダムには大エースコルデマンス(オランダ代表)も戻ってくるでしょう。もちろんオランダ代表はユーロで優勝するでしょうからその熱が冷めないまま、オランダシリーズでも共に熱い試合を繰り広げてくれるでしょう。こうした日程にするなら尚更ホーフトクラッセからの野手を代表に多く選んで欲しかったのですが… オランダシリーズを熱く盛り上げて、ホーフトクラッセ野手ここにあり、てところを見せつけて欲しいものです。オランダシリーズの予想をしておきますと、希望を込めて4勝3敗でアムステルダムの勝利。もちろん入れ替え戦も見逃せませんよ。ホークスはいい若手が多いだけけに来年もホーフトクラッセで見たい。とりあえず、ユーロを楽しみましょう。ユーロが終わっても楽しみが残ってますよ、ということです。

photo:01


(from Henk Seppen)
photo:02


(from Henk Seppen)
photo:03


(from Henk Seppen)
photo:04


(from Henk Seppen)

 
追記:最後に主要タイトルランキング(1~3位)を記載しておきます。
首位打者
1、バス・デヨング .373
2、フィンス・ローイ .360
3、デ・フナネヒン .355
ジルマー・ランぺ .355

本塁打王
1、ブライアン・エンゲルハルト 9
2、ケニー・ベルケンボス 7
  ジアニソン・ブークハウト 7

打点王
1、ジアニソン・ブークハウト 42
  バス・デヨング 42
  フィンス・ローイ 42
2、ケニー・ベルケンボス 39

最多安打
1、ディルク・ファント・クロースター 53
2、ゼルジンホ・クルース 50
  デニー・ロンブリー 50
  バス・デヨング 50
  ジルマー・ランぺ 50
クリスティアン・ディアス 50

盗塁王
1、ロンリー・エンリケ 22
2、ドゥエイン・ケンプ 21
3、デニー・ロンブリー 16

最優秀防御率
1、オルランド・インテマ 1.15
2、ケフィン・ヘイステック 1.33
3、ロブ・コルデマンス 1.53

最多勝
1、ケフィン・ヘイステック 10
2、リカルド・ヘルナンデス 9
3、ロブ・コルデマンス 8
  ディエゴマー・マークウェル 8
  オルランド・インテマ 8
  ニック・フェルトカンプ 8

奪三振王】
1、リカルド・ヘルナンデス 83
2、ケフィン・ヘイステック 77
3、オルランド・インテマ 73

【最多登板】
1、ピム・ヴァルスマ 26
2、セドレイ・カーレル 25
3、ヨーリアン・ファンアッケル 23

【セーブ数】
1、アーシュイン・アシェス 9
2、ベリー・ファンドリール 6
3、ユリアン・コックス 5