蘭野球事始 ~オランダ野球風説書~

自称日本一オランダの野球に詳しいブログ

エフェルトヤン・エトゥーン(ロッテルダム・ネプチューンズ監督)独占インタビュー

2015-03-03 10:20:04 の記事です。

 

来週の今日、3月10日(火)開幕の侍ジャパン vs 欧州代表。

その欧州代表に最多の4人を送り出す、昨年のホーフトクラッセ王者ロッテルダムネプチューンズ
今回はそのネプチューンズのヘッドコーチ(監督)、エフェルトヤン・エトゥーン氏に独占インタビューを行いました。

選手時代にはオランダ代表として三度のオリンピックを経験。
現在はヨーロッパNo.1クラブのヘッドコーチ、オランダ代表チームのコーチを兼任する39歳の若き指導者。
オランダ野球の明日を担うエフェルトヤン・エトゥーン監督のインタビューをどうぞ。

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--エフェルトヤン、最初に昨シーズンの事を聞かせてもらってもいいですか。

「もちろん!昨シーズンは最高のシーズンだったね。第7戦までもつれたチャンピオンシップで優勝したんだから。」(L&Dアムステルダムパイレーツと、3勝3敗で臨んだ最終戦で勝利、優勝)

--おめでとう!これで2年連続のオランダチャンピオンですね。去年の優勝とはまた違う心境なのかな。

「ナンバーワンで居続ける事は、ナンバーワンになる事より常に難しい、と感じた1年だったかな。
実際、今シーズンは去年よりチーム一丸となって戦ったと思う。全てのチームがネプチューンズを倒そうとしているシーズンだったからね。チャンピオンシップでのパイレーツは特に。」

--そのライバルのパイレーツは、このオフに、バス・デ・ヨングユリアン・コックスといった多くのベテランが抜けました。その点では既にネプチューンズが、他のチームに一歩リードしていると思うのですが。

「確かにパイレーツはいい選手が抜けたけど、それでも難しい相手である事には変わらない。もう一度オランダでナンバーワンになって、今年こそヨーロッパカップで優勝したいね。」

--そのヨーロッパカップは本当に惜しかったですね。(決勝進出を目前にして、準優勝のイタリア・リミニに敗れる)ズバリ今年にかける意気込みを聞かせてもらっていいですか。

「ヨーロッパの野球は全体的に年々レベルが上がっていると思う。これまで強いと言われていたオランダやイタリア以外の国も、本当に良いチームをヨーロッパカップに送り出しているしね。今年のネプチューンズとしては、去年敗れた予選最終戦に照準を合わせていくよ。」

--やはりヨーロッパカップは特別な大会ですか。

「ヨーロッパカップで、違う国のチームと試合をするのは本当に楽しいよ。その中でもやはりライバル国、イタリア最強のリミニとの試合はいつも特別な試合になる。だから今年も是非試合をしたいね。今大会は我がロッテルダムも開催地だし、必ず良い大会になると思うよ。」

--そんなヨーロッパトップチームのネプチューンズ知名度を上げるために、今度の欧州代表に選ばれている選手も含め、注目のプレーヤーを挙げてもらえますか。個人的にはスタイン・ファン・デル・メール(Stijn van der Meer)に注目しています。

「スタインは本当にいいプレーヤーだね!アメリカのラマル大学でプレーしていてまだ若いけど。着実にグッドプレーヤーになる道を歩んでいると思うよ。」

--その他の選手はいかがですか。

「スタインの他にも、代表クラスの良い選手は多くて。オランダ代表最多出場のライリー・レヒト( Raily Legito)は、36歳の今でもまだネプチューンズでプレーしているし、チームの先発一番手、二番手は今もディエゴマー・マークウェル(Diegomar Markwell)とオーランド・インテマ(Orlando Yntema)。皆オランダを代表する注目の選手だよ。」

--次は指導者としてのキャリアについて聞かせて下さい。まだ39歳とコーチ歴も短いですが、何か最終的な目標はありますか。

「本当にその通りで、まだコーチとしての経験も短いから日々勉強中。最終的な目標はまだ見えていないかな。」

--オランダ代表チームではコーチも務めています。具体的な活動内容を聞かせてもらえますか。

「代表チームで出来る事は本当に何でもやりたいと思っているんだ。元々経験のある内野手へのコーチングや1塁ベースコーチ、選手を代表へ呼ぶ為のスカウティングレポートを細かくチェックしたり、トーナメントの出場選手を決めたり。代表チームには本当に経験のある優秀なスタッフが揃っていて、自分自身も彼らに負けないくらい、いつでもどこでも出来る限りの事はするつもりでいるよ。ネプチューンズでは監督、代表チームでは1塁ベースコーチと色々経験出来ている。その分大変だけどやり甲斐もあるし、本当に幸せな指導者生活を送っていると毎日感じているかな。」

--3月の欧州代表と侍ジャパン(日本代表)との試合には、4人の選手がネプチューンズから選ばれています。彼らには期待する事はありますか。

「まずは欧州代表としての、この貴重な経験を楽しんで欲しいと思っている。そして侍ジャパンと戦う事の喜びをプレーで見せて欲しい。疑う余地無く侍ジャパンは世界ナンバーワンのチームで、歴史も伝統もあって、いい選手が揃っている。もう(ディエゴマー)マークウェルも(オーランド)インテマも、投げる準備は出来ているよ。ジアニソン・ブークハウト(Gianison Boekhoudt)は、去年のヨーロッパ選手権くらいしかまだ代表としての経験は無いと思うけど、広角にも打てるし飛ばすことも出来る。カリアン・サムスは昨シーズンは主に海外でプレーしていたから、ネプチューンズとしてはあまり試合に出ていないけど、オランダ代表としてはもう長い間中心選手だしね。」

--ありがとうございます。では最後に、日本の野球について何か知っている事があれば教えてもらえますか。

「日本の野球は独特なスタイルだと思う。全てのプレーヤーが基本に忠実だという印象。侍ジャパンは常にチームの為に戦って、決して個人の為に戦う事はない。一つのプレーで「彼らがなぜ世界一なのか」を見せることの出来るチームだと思う。我々ヨーロッパのプレーヤーは皆、日本野球の選手育成法や、野球大国としての世界での立ち振る舞いや存在感には強く尊敬の念を抱いているよ。」

――ありがとうございました。今シーズンの活躍を期待しています。

「ありがとう!記事をアップしたら教えてね!」

Dank u wel Evert-Jan !

Evert-Jan 't Hoen