蘭野球事始 ~オランダ野球風説書~

自称日本一オランダの野球に詳しいブログ

WPT 2015 日本 決勝トーナメント第1戦 vs キュラソー

2015-08-01 02:11:38 の記事です。

 

7月23日(木)決勝トーナメント第1戦 vs キュラソー

キュラソー 14-5 日本
勝:ライデル・イサベラ(キュラソー) 負:山本 竜也(日本)

日本先発メンバー
1・サード 庄野 雄斗 大阪体育大・3
2・レフト 三矢 大将 大阪産業大・3
3・キャッチャー 木村 侑輝 大阪体育大・4
4・ショート 田村 強 大阪体育大・4
5・ファースト 上田 哲平 関西国際大・3
6・DH 畑 涼介 関西国際大・3
7・ライト 堅田 啓太郎 大阪体育大・2
8・セカンド 木戸地 一希 大阪体育大・4
9・センター 小中 悠平 天理大・4
ピッチャー 山本 竜也 天理大・3

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

決勝トーナメント1回戦。予選を3位で通過した日本相手はキュラソー。大会レギュレーションが少し複雑な事もあり、初戦にさえ勝てば次の試合に敗れても決勝進出の可能性は残ります。初戦コールド勝ちした相手という事もあり、期待が高まります。

決勝トーナメント表



2回裏、日本が猛攻を仕掛けます。4番田村がヒットで出塁すると、続く上田、畑がバント。共に相手キャッチャーが捕球を焦りファンブル、どこにも投げられず0アウト満塁のチャンスを作ります。大チャンスでバッターボックスには、2年生ながら唯一全試合先発で出場している7番の堅田。その堅田のセカンドゴロの間に田村が還り、日本が先制。続く木戸地のショートゴロを相手がエラーする間にもう一点追加。9番小中のセーフティースクイズで更に追加点。0対3と序盤にリードを広げます。

前回同様、日本圧勝ムードが漂い始めた時、突如キュラソーの猛攻が始まりました。3回表にキュラソーの英雄、レヒトのレフト前を皮切りに3連打で2点を返します。続く4回表にも日本の外野陣のまずい守備もあり2点を追加。4対3と簡単に試合をひっくり返します。先発の山本はこの回までで降板。4イニングを被安打6、失点4。マウンドを次の與座に託します。しかしその與座もなかなか悪い流れを止められず。5回表には1ヒット、2エラーで1点。また6回表にはこの日好調のキュラソー8番、レヒトの二塁打で更に1点、6対2と徐々に点差を広げられます。

日本も直後の6回裏、1アウト2、3塁からこの日8番に入ったキャプテン木戸地の2点タイムリーで6対4と詰め寄るも、キュラソーの勢いが止まりません。

7回表、5回からマウンドに上がっている與座を打ち崩し、打者8人で一挙5点。被安打5に加え、パスボール、守備のミスとこれまでの試合同様、なかなか勢いづいた相手を止める事が出来ません。結局7回終了時点で11対5とし、完全に試合を決めました。その後も8回表に1点、9回表に2点を加えられて14対5。日本は最後までキュラソー先発のライデル・イサベラを打ち崩せず試合終了。

初戦で大勝した相手に気の緩みが出たのか、最後まで良い所を出せず。この敗戦で、完全に決勝進出の望みが断たれた結果となりました。

総評

波があるキュラソーに綺麗にのまれました。初戦に大勝していたので、この試合も大勝とまではいかなくとも、勝利は堅いのかと思っていました。選手自身も心のどこかでそう思っていたようです。

しかし結果はキュラソーの大勝。キュラソーの方がこの試合にかける意気込みが強かったのだと思います。今大会はオランダ同様、キュラソーにとっても大変意義のあるものでした。先にも述べましたがオランダとの交流事業という事もあり、毎試合キュラソーメディアによる中継が組まれていました。その大会で惨敗は出来ない、その意地が出たのでしょう。


いつも楽しそうに仕事をするキュラソーメディア

キュラソーに負け決勝進出が無くなった日本はこの2日後、チャイニーズ・タイペイとの4・5位決定戦が予定されていました。しかし結局雨で中止。チャイニーズ・タイペイと同率の4位で大会を終えました。キュラソー戦から一日オフを挟み、連戦続きだった選手はチャイニーズ・タイペイ戦に向けてリフレッシュ。最終戦へ向け調整をしていました。気持ちも切り替え、当日も試合前ノックまで終えた時点で中止が決定。なんとも言えない大会の終わり方になりました。


チャイニーズ・タイペイ戦に向け調整中の田村凌太郎投手


とにかく明るい日本チーム
左から小中悠平外野手、木戸地一希内野手、木村侑輝捕手

今大会日本チームは環境の適用に、少し時間がかかっていたように感じました。海外での試合どころか、ほとんどの選手が初海外。気候も食事も住環境も普段とは大きく違い、また外国人選手の動くボールやリーチの長さ、日本とのストライクゾーンの違いにも戸惑っていたようです。当然国際大会はそのようなものなのですが、「次々と出てくる目新しさに心奪われているうちに終わった。」、そんな様子でした。

彼らはまだ大学生なので今後も社会人、プロと海外で野球をする機会もあると思います。時代の流れを考えても、野球外で海外旅行・出張と、海外との関係切って切り離せないものになるでしょう。この経験を生かして、何事にも物怖じしない国際人になってくれる事を願っています。