蘭野球事始 ~オランダ野球風説書~

自称日本一オランダの野球に詳しいブログ

2014オランダシリーズレポート

2015-01-17 10:30:12 の記事です。
 
 大変長いことご無沙汰しておりました。申し訳ございませんでした。私事ですが色々と将来に関わる大事な時期になっておりましてなかなか時間が割けない次第でありました。が、ネタも貯ってますので(笑)

 前回の記事でオランダシリーズ前の展望を語ったんですが、既にとっくの昔に終わってます(笑)。ですので、まずはこの話題から。

○オランダシリーズ

 第一戦 アムステルダム 5-0 ネプチューンズ 勝:ヘイステック
 第二戦 アムステルダム17-7 ネプチューンズ 勝:ヨス・デヨング
 At ロッテルダム(ファミリースタジアム)

 第三戦 ネプチューンズ 3-1 アムステルダム 勝:マークウェル
 第四戦 ネプチューンズ 4-5×アムステルダム 勝:モーデイ
 第五戦 ネプチューンズ 4-1 アムステルダム 勝:ファンドリール
 At アムステルダム(オークメールスポーツパーク)

 第六戦 アムステルダム 3-8 ネプチューンズ 勝:インテマ
 第七戦 アムステルダム 0-1 ネプチューンズ 勝:ファンドリール
 At ロッテルダム(ファミリースタジアム)

 オランダシリーズMVP:ベリー・ファンドリール


上記の結果を見てもらえればお分かりの通り、ものすごく面白いシリーズでした。アムスが劇的なサヨナラ勝ちで、いちはやく王手を懸け勢いで優勝してしまうかと思いきや、そこからのネプチューンズの3連勝。見所は満載でした。どちらもチームの長所が出て、どちらかを敗者としてしまうのが惜しいくらいです。
ネプチューンズ勝利の要因としては、選手層の厚さが挙げられます。乱闘や判定に対する抗議によりエースのマークウェルとトゥーン監督が退場処分、挙げ句の果てには出場停止処分までも受けてしまうことになりました。その危機的状況を救った救世主がMVPに輝いたファンドリールです。オランダ代表メンバーでもある彼は本職はリリーフ。しかし、今シーズン終盤からチーム事情により先発を任せられることもありました。エースの不在の“代打”として白羽の矢がたてられたのが彼だったのです。負ければシリーズ敗退のかかった2試合に先発し2勝、わずか計2失点。角度のあるストレートを外角に、低めに決まる決め球スプリットを武器にアムステルダム打線を手玉にとった姿は、坂本から満塁ホームランを打たれたのと同一人物とは思えませんでした。彼の存在なしでは今回のタイトル奪取はなかったでしょう。
また、若手の野手の活躍も見られました。マーリンはシーズンでも打ったことのない特大ツーランを放ち、フェルナンデスはここぞの場面でタイムリーを放ちました。今季以降につながる活躍でしょう。

 
photo:03


(Henk Seppen)

一方のアムステルダムもすごくいいゲームをしていました。特筆すれば、若きセカンドのアウセムス。第四戦では相手のストッパー・ケリーからレフト前へサヨナラタイムリー。躍動感のある守備でも貢献しました。投手では大エースのコルデマンス。第二戦こそ不甲斐ない投球でしたが最終決戦では先発して8回を一人で投げぬき、内野ゴロによる1失点のみ。伝家の宝刀チェンジアップのみならずカーブやスライダーを有効に使い相手打者を幻惑させました。やはり、経験のあるベテランは大舞台で頼りになります。

今回のオランダシリーズはここ数年で最もエキサイティングなシリーズだったといっても過言ではありません。日本シリーズワールドシリーズも盛り上がりましたが、地球の裏側でも、こんなにサイコーで感動しちゃうようなゲームが見られるんですよ。



侍ジャパン、欧州選抜と強化試合
 先日ビッグニュースが飛び込んできました。野球日本代表が欧州選抜チームと強化試合を行うというものです。個人的にはオランダ代表とでもよかやん、と思ってしまいましたが、そんな欲張ってもられません。オランダ人が日本にやってくるんですから。ということで欧州選抜に選ばれるであろうオランダの選手を書いておきます。今回は国内ホーフトクラッセからのみ選びました。ここから何名選ばれるでしょうか。勿論ファンデンハルク(ソフトバンク)、バレンティンらも楽しみにしておきましょう。

*投手
・ケフィン・ヘイステック…アムスのエース。昨季10勝で最多勝
・ディエゴマー・マークウェル…ネプチューンズのエース。長年代表でも活躍。オランダのサバシア。
・ベリー・ファンドリール…2014オランダシリーズMVP。リリーバー。
*捕手
・ジアニソン・ブークハウト…代表4番。今脂乗っている率も残せるスラッガー
・バス・ノーイ…オランダのモリーナ。明るいキャラクターで勝負強さも光る。
内野手
・ステイン・ファンデルミール…国内最高のショートストップ。類まれなる打撃センスはキュラソーのショート軍団にも劣らない。
・フィンス・ローイ…打率2位の中距離打者。アグレッシブなサード守備も見所。
*外野手
・バス・デヨング…首位打者。フルスイングが生み出すラインドライブは広角に。
デニー・ロンブリー…一発も期待できる瞬足好打の外野手。

【追記】
 私が実際に観戦に訪れた際に撮影した動画も載せておきます。
2014年8月8日アムステルダムパイレーツvsファエッセンパイオニアーズ
http://youtu.be/07LIta7Vku0