蘭野球事始 ~オランダ野球風説書~

自称日本一オランダの野球に詳しいブログ

2023WBCオランダ代表選手名鑑

 WBCに出場しているオランダ代表は、正確には「オランダ王国」代表であり、みなさんがご存知の「オランダ」とは完全に同じ意味ではありません。「オランダ」とは「オランダ王国」の構成国の一つに過ぎません。「オランダ王国」は他に、「キュラソー」や「アルバ」「シントマールテン」といったカリブ海の3つの国を加えた4か国で構成されています。マスメディア等でしばしば「オランダ領」と称される「キュラソー」や「アルバ」は、正確には「オランダ領」ではなく、「オランダ王国」構成国のひとつなのです。例えるなら、「イギリス」の構成国に「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」「北アイルランド」があるのと比較するとわかりやすいでしょうか。サッカーでは「イングランド」などと同じく、「キュラソー」や「アルバ」もそれぞれ代表チームを組織しています。

 

 ですので野球オランダ代表には白人も黒人もまぜこぜです(もちろん「オランダ」にも黒人の方はいます)。オランダ人、キュラソー人、アルバ人などなど、様々な地域で育ち、様々な文化を持ち合わせる選手たちが「オランダ王国」という名のもとに団結し情熱をかけてプレーしているのもオランダ野球の魅力の一つです。

 また、彼らの中にはオランダ国内リーグホーフトクラッセセミプロとして活躍する選手。はたまた、アメリカのMLB傘下でプロとして活躍する選手が存在します。こうした異なる舞台、レベルでプレーする選手たちが一堂に会して優勝を目指すというのも、オランダ代表におけるロマンのひとつです。

 オランダ代表のはユニフォームには「Kingdom of the Netherlands(オランダ王国)」と記されており、キュラソーやアルバなども含めた意味となっています。

 それでは、「オランダ王国」のもとに集まった代表選手たちをご紹介します。

 

【例】

背番号 名前日本語/ローマ字 身長/体重 生年月日 年齢

所属チーム 投打 「出身地」

 

【投手】14人

20 マイク・ボルセンブルーク/Mike Bolsenbroek 203cm/95kg 1987年3月11日35歳

  ハイデンハイム(ドイツリーグ) 右右 「オランダ」 先発

 ドイツ代表経験もある異色なオランダ人右腕。18歳でオランダ・ホーフトクラッセデビューを果たす。ホワイトソックスにドラフト指名されるも断り、ドイツの強豪レギオネーレへ。翌年ドラフト外フィリーズとの契約を掴む。3年間マイナーでプレーするもリリースされ、次の活躍の舞台として選んだのは再びドイツだった。レギオネーレのエースに成長し、ドイツの市民権を得たことで2012年のWBC予選ではドイツ代表として出場した。

 しかし、彼の活躍を嗅ぎつけた王立オランダ野球協会が慌てて呼び戻し、2014年のハーレムベースボールウィーク(オランダ主催の国際大会)では初めてオランダ代表入りした。それ以降はほぼすべての国際大会でオランダ代表として選出されており、前回2017年WBCではリリーフとして活躍。2次ラウンドの日本戦では7回2アウトカウント2-2の打者の途中というなんとも難しい場面で登場し、小林捕手を三振に取った。

 ストレートは140キロ中盤だが、スライダーや落ちる球で打ち取っていく。

試合 防御率 勝 負 三振 セーブ

マイク・ボルセンブルーク(photo:Phrake Photography)

 

45 フアン・カルロス・スルバラン/Juan Carlos Sulbaran 188cm/99kg 1989年11月9日33歳 ロッテルダムネプチューンズ 右右 「キュラソー」 先発

 オランダ代表常連の元プロスペクト。マイナーで8年プレーするも49勝65敗防御率4.86と十分な成績を残せずメジャーに昇格することもできなかった。代表デビューは2009WBC、その後もコンスタントに代表入りする目立った活躍はできていない。マイナーをリリース後はオランダホーフトクッラセ入り。デンハーグ、ハーレム、アムステルダムロッテルダムと渡り歩き、各チームの主戦級として活躍している。特徴はストレート、スライダー、チェンジアップのコンビネーション。球速は140中盤ほどであるが、それゆえ力で押そうとすると打ち込まれる場面も。

 今大会から1次ラウンドが1試合増加することから、彼には第2先発として長いイニングを消化してもらう役割が期待される。

試合14 防御率2.20 勝9 負2 三振70 セーブ0

フアン・カルロス・スルバラン(photo:Phrake Photography)

 

39 シャーロン・マーティス/Shairon Martis 185cm/102kg 1987年3月30日35歳

 ロッテルダムネプチューンズ 右右 「キュラソー」 先発、リリーフ

 若い頃から長年代表を経験してきた右腕。MLBでも26試合登板した。その後は台湾にも移籍し、28試合8勝7敗の成績を残した。2020年からはオランダホーフトクッラセのアムステルダムパイレーツへ移籍、エースとして活躍し2021年のオランダシリーズでは1戦目に完封し、親族の結婚式に出席するため一時キュラソーに帰省するも7戦目までもつれたためとんぼ返りで再度先発し完投。チームを優勝に導いた。

 WBCにも3回出場しており、2006WBCでは7回参考記録ながらノーヒットノーランを達成した。落ちるスライダーが武器。調子が悪いと球が真ん中に集まる制球難が欠点。球種はストレート、スライダー、チェンジアップなど。中継ぎの経験も豊富な右腕は、前回大会の勝ちパターンリリーバーがいなくなった今大会は、ストッパーとしての役割も求められる。

試合17 防御率1.22 勝6 負1 三振72 セーブ3

シャーロン・マーティス(photo:Henk Seppen)



16 ラース・ハイヤー/Lars Huijer 193cm/92kg 1993年9月22日29歳

 HCAW 右右 「オランダ」 先発

 17歳でシアトルマリナーズと契約を結び、4年間アメリカマイナーの有望株として活躍していた右腕。しかし、5年目となった21歳のスプリングトレーニング際に自らのキャリアを見直しオランダに帰国。そこからはオランダホーフトクラッセのトッププレーヤーとして投げ続けている。2021年からはHCAWという古豪クラブへ移籍。1年目で3位までチームを押し上げると、今季はプレーオフを勝ち上がりオランダシリーズへ進出。優勝決定戦では9回110球2安打5奪三振で完封し、胴上げ投手となった。現在のオランダ国内では最高峰の選手だ。

 代表デビューは2016年。ハーレム、ユーロの両大会で活躍し、2017年WBCにも選ばれた。2021年の東京五輪最終予選ではベネズエラ戦に登板。先発のジャージェンスが3回途中6失点とノックアウトされた後に登板し、3回と1/3を2奪三振無失点に抑えた。オランダで敵なしの状態で、本人は今大会をきっかけにアジアのプロリーグへの移籍を望む。

 持ち球はスライダー、チェンジアップ。高速チェンジアップ気味の落ちる球は効果的。ファストボールは140キロ中盤。

試合14 防御率0.86 勝7 負1 三振99 セーブ1

ラース・ハイヤー(photo:Phrake Photography)

 

37 トム・デブロック/Tom De Blok  193cm/108kg 1996年3月8日 26歳

 ロッテルダムネプチューンズ 右右 「オランダ」 先発 

 17歳でシアトルマリナーズと契約した元プロスペクト。しかし、1年目のスプリングトレーニングで数週間を過ごした後、諸事情により契約を解除し帰国した経緯を持つ。

 帰国後はオランダ国内リーグ・ホーフトクラッセで抑えとして活躍。アムステルダムパイレーツで守護神に定着すると2016年にはクラブ対抗のヨーロピアチャンピオンズカップで胴上げ投手になった。

 2017年のWBCにも選出され、中継ぎ投手として活躍し、日本戦では当時メジャーリーガーだった青木から三振も奪った。大会での活躍を評価され、大会終了後にはデトロイト・タイガースマイナー契約。先発に転向し、シングルAを中心に3シーズンプレーするも11勝21敗、防御率3.91と伸び悩んだ。2020年からは再びオランダでプレーしている。

 持ち味は何といっても93、94マイルを計測する真っすぐ。変化球としては大きなスライダーがある。2021年の五輪最終予選では、ドミニカ共和国戦に先発登板し、6回途中5安打6奪三振2失点と好投を演じ、予選後にはメキシカンリーグのクラブと契約を結んだ。しかし、1試合の登板後に右肘を痛め、退団。右ひじの手術を経て2022年は全休となった。

 バンデンハークの引退や、リリーバーの不在もあり、彼がどこまでの状態で復帰できるのか、先発なのか中継ぎなのか、オランダ代表投手陣のキーマンとなるのは間違いない。

(2022年は全休)

トム・デブロック(photo:Henk Seppen)

 

00 デレク・ウェスト/Derek West 195cm/116kg 1996年2月12日26歳

 ヒューストンアストロズ傘下AA 右右 「アメリカ」 リリーフ 

 アストロズ傘下AAでプレーするアメリカ人右腕。母の両親が1960年代にオランダからアメリカに移住しており、母はオランダの国籍も保有しているため代表入り資格を有することとなる。祖母に代表選出を報告した際には、涙を流して喜ばれたとか。

 2019年ドラフトの14巡目で入団しており、3年間マイナーでプレー。今季オフにはプエルトリコウィンターリーグでもプレーし、17 回と2/3の登板で防御率1.02の好成績を修めている。球種はまっすぐ、カーブ、カットボール、スライダー。最高球速は156キロほどで、安定して150キロを超える速球を投げ込む。

 昨年11月の代表合宿「キングダムシリーズ」ではじめて代表活動に参加。代表での登板歴はなく、実力が未知数なところはあるが、リリーフ陣が手薄な今回の代表では、勝ちパターンのストッパーとしての役割が期待される。

試合39 防御率4.45 勝5 負2 三振68 セーブ6

 

33 ケヴィン・ケリー/Kevin Kelly 183cm/90kg 1990年5月27日32歳

 ロッテルダムネプチューンズ 右右 「キュラソー」 リリーフ

 オランダの強豪ネプチューンズのリリーフエース。キュラソー出身で2013年までアメリカの大学で勉学にいそしみながら野球をプレーしていた。その間に、オランダ開催のワールドポートトーナメントにキュラソー代表でした経験も持つ。

 その後、大学卒業を機にオランダホーフトクラッセネプチューンズへ入団。入団当初から、リリーフとして活躍。2014年オランダ入り後1年目で代表に選ばれた。国内組だけでの編成の代表ではしばしば招集されていたが、米マイナー組も含めた代表では2016年の侍ジャパン戦で初招集され、鈴木誠也に満塁弾を浴びた。2021年の東京五輪最終予選のベネズエラ戦では7回にダメ押しとなる2ランホームランを浴びた。

 2018年はイタリアリーグリミニで活躍したがそれ以降はロッテルダムネプチューンズの守護神として君臨。今季はオランダシリーズなどのポストシーズンでは先発も務めた。

 90マイルを超える速球とスライダーを織り交ぜるオーソドックスなスタイル。

試合15 防御率1.23 勝3 負0 三振45 セーブ5

ケヴィン・ケリー(photo:Henk Seppen)

 

99 ヴェンデル・フローアナス/Wendell Floranus 180cm/72kg 1995年4月16日27歳

 タイガース・デ・ルー(メキシコ) 右右 「キュラソー」 リリーフ

17歳でオリオールズと契約し、20歳までルーキーリーグでプレーするもそれ以上昇格できず。まっすぐは150キロ近く計測するも、ウイニングショットとなる変化球が乏しい。

 近年はアメリ独立リーグメキシカンリーグ、ドミニカウィンターリーグなどを渡り歩く。2020年のコロナパンデミック期には各リーグがストップする中、オランダホーフトクラッセのアメルスフォールトでもプレーした。

 代表歴は2015年のプレミア12や東京五輪最終予選などがあるが、目立った活躍はできていない。2016年には侍ジャパンとの強化試合に登板し、あの大谷翔平に東京ドームの天井に突き刺さるホームラン級の打球を打たれたのはこの人。

試合33 防御率4.76 勝3 負2 三振38 セーブ17

ヴェンデル・フローアナス(photo:Phrake Photography)

 

32 ジェイデン・エスタニスタ/ Jaydenn Estanista 190cm/81kg 2001年10月3日21歳

 フィラデルフィア・フィリーズ(Rk) 右右 「キュラソー」 先発

 フィリーズ傘下ルーキーリーグでプレーする21歳。2022年のチーム内プロスペクトランキングでは26位につけた。1年目はドミニカ教育リーグ、2年目はルーキーリーグでプレーし、登板数は少ないものの好成績を残している。

 速球の最速は98マイル(157キロ)を誇るが、変化球の精度は伴っておらず、カーブやスライダー、チェンジアップを習得中だ。

 国内組を中心に100マイルに迫る速球を投げる投手はおらず、貴重。どこまでストライクゾーンに集められるか未知数だが、ポテンシャルを存分に発揮してほしい。

試合12 防御率2.01 勝3 負0 三振35 セーブ0

 

41 ライアン・ハンチントン/ Ryan Huntington 180cm/83kg 1996年8月25日26歳

 ロッテルダムネプチューンズ 左右 「アルバ」 先発

 アルバ出身のサウスポー。アメリカの大学でプレー後、コロナのパンデミックで混乱した2020年はプレーした実績がないが、2021年からはオランダホーフトクラッセでプレー。初年度はパイオニアーズに所属し、12試合の先発で3勝5敗、防御率4.03の成績を残した。2年目はツインズに移籍。4勝9敗、防御率3.79と負け数が先行するも国内リーグの上位チーム相手にローテーションを守ったことが評価され夏に開催されたハーレムホンクボルウィークで初めてオランダ代表に選出された。大会ではアメリカ戦に先発すると、4回1/3を5安打1本塁打2失点と試合を作った。

 来シーズンは強豪のロッテルダムネプチューンズへの移籍が決まっており、WBCでは第2先発や左打者が並ぶイニングでの登板が予想される。スリークウォーター気味から投げ込むスライダーは左打者に有効となるはずだ。

試合14 防御率3.79 勝4 負9 三振71 セーブ0

ライアン・ハンチントン(photo:Henk Seppen)

 

58 アントワネ・ケリー/ Antwone Kelly 178cm/83kg 2003年9月1日 19歳

 ピッツバーグ・パイレーツ(Rk) 右右 「アルバ」 リリーフ

 ピッツバーグ・パイレーツ傘下ルーキーリーグでプレーする19歳。

 契約1年目はドミニカ教育リーグで12試合に先発し1勝2敗、防御率4.14、37イニングで奪三振は39だった。昨シーズンはルーキーリーグで主にリリーフとして10試合に登板。防御率2.31、23イニングで奪三振は29とイニングより多い三振を奪っている。

 詳細は不明だが、19歳にして90マイル中盤150キロに届く速球を投げ込んでおり、今後の飛躍が期待される投手だ。マイナーでも試合数がそこまで多く投げておらず、未知数の投手と言ってよいが、この大会でベールを脱ぐか。

試合10 防御率2.31 勝0 負1 三振29 セーブ0

アントワネ・ケリー(photo:Phrake Photography)

 

29 エリック・メンデス/Eric Mendez 183cm/79kg 1999年12月3日 23歳

 アリゾナダイヤモンドバックス(A) 右右 「アルバ」 リリーフ

 アリゾナダイヤモンドバックス傘下シングルAでプレーするリリーバー。2022年は44試合に登板し防御率3.97、ホールド2、セーブ1、奪三振は64という成績だった。

 2021年のU23ワールドカップにオランダ代表に選出され4試合にリリーフ登板するも防御率は7.64だった。特に韓国戦では5点リードで迎えた最終回に登板するも、ヒットや味方エラーで満塁とし連打を浴びて同点とされてしまい、結局チームが負けてしまうきっかけとなった。

 ストレートは150キロに迫る球速を計測し、大きく曲がるスライダー、ツーシームを操る。コントロールにはバラつきがあり、どうしても真ん中付近に集まってしまう傾向がある。

試合44 防御率3.97 勝4 負1 三振64 セーブ1

エリック・メンデス(photo:Phrake Photography)

 

51 ダイラン・ファーレイ/Dylan Farley 2021年 ⇒入れ替えにより選外

 ホーフトドルプ・パイオニアーズ 左左 「オランダ」 先発

 サプライズ選出の若手先発左腕。父親は2011年の野球ワールドカップでオランダが優勝した際の監督である米国人のブライアン・ファーレイ。母親に元ソフトボールオランダ代表でアトランタ五輪に出場したホニー・レイネンを持つ。

 現在はアメリカの大学でプレーしており、シーズンオフにはオランダに帰国しホーフトドルプ・パイオニアーズの一員としてプレーしているが、昨年は6試合のみの登板となっている。

 2022年のU23ワールドカップで代表入りすると、2試合に先発すると両試合とも1失点に抑えゲームを作った。特に韓国戦では1安打7奪三振と能力の高さを見せつけた。

 速球は安定して140キロ中盤を計測し、120キロ前後の大きく割れるカーブ、スライダーで打者を翻弄する。貴重な左腕として隠し玉的な存在になれるか。

試合6 防御率2.40 勝2 負1 三振18 セーブ0

ダイラン・ファーレイ(photo:Louie Jay Sienders)

 

17 アレイ・フランセン/Arij Fransen 190cm, 86kg 2001年5月20日 21歳

 シンシナティ・レッズA 右右 「オランダ」 リリーフ

 レッズ傘下シングルAで活躍する若手投手。代表ではリリーフが主だが、近年は先発としての登板も増えてきている。

 これまでも2019年U18ワールドカップなど世代別代表にも選ばれてきたが、フル代表は五輪最終予選でデビュー。五輪最終予選での登板は、ちょうどその週が祖父の誕生日でもあったため、祖父からミューレンズ監督に感謝の意を伝えるメールを送ったとか。投球自体は、1アウト満塁という大ピンチで登板し、押し出し死球犠飛で2点を失うも後続を打ち取った。今回はそれ以来の代表選出となる。

 スリークウォーターから投げ込む球種はまっすぐ、スライダー、チェンジアップとオーソドックなもの。まっすぐは140キロ中盤を計測する。韓国プロ野球チームとの練習試合でも好投し、入れ替えによるメンバー入りをつかんだ。薄いリリーフ陣に割って入り、チームの上位進出に貢献したい。

試合22 防御率6.96 勝3 負8 三振46 セーブ0

Arij Fransen (photo:Louie Jay Sienders)

 

55 フランクリン・ファンフルプ/Franklin Van Gurp 185cm/102kg 1995年10月26日27歳 フリーエージェント 右右 「シント・マールテン」 リリーフ

 元マイナーリーガーのリリーバー。フロリダ国際大学を経て、2017年にドラフト25巡目でサンフランシスコ・ジャイアンツから指名を受けた。

 マイナー時代はシングルAが主戦場。マイナー通算107試合に登板し、105試合がリリーフ登板で防御率は4.02、16ホールド12セーブを記録している。奪三振は250に対し、四死球が84とコントロールの優れた投手だ。

 初代表は2019年のプレミア12。その後は五輪最終予選でもメンバー入りした。

 マイナーをリリース後はオランダホーフトクラッセアムステルダムパイレーツに加入。ヨーロッパチャンジオンズカップの決勝戦では1点リードの展開で登板し、4四球、2被安打で逆転を許し、優勝を逃してしまった。

 昨年はオランダのほか米独立アトランティックリーグで2球団、ドミニカウィンターリーグでもプレーした。

 速球は平均して150キロ弱で、曲がりの大きいスライダーで空振りを狙う。

試合9 防御率1.42 勝3 負0 三振17 セーブ1

フランクリン・ファンフルプ(photo:Phrake Photography)

 

【捕手】3人

21 ダシェンコ・リカルド/Dashenko Ricardo 182cm/93kg 1990年3月1日32歳

 ロッテルダムネプチューンズ 右右 「キュラソー

守備型キャッチャーで、2013、2017WBCに続き3大会連続の選出。オリオールズジャイアンツでプレーしたが、課題の打撃がふるわず解雇になり2014年からホーフトクラッセへ。2014年はホーフトクラッセでも打率は上がらず.266だった。が、2015年は一転。打撃が開花し、リーグ2位の打率を残した。

代表は常連であり、主要国際大会はもれなく参加している。前回大会はサラガとの併用でスタメンで出ることもあったが、今回はメジャーも経験しているトロンプがレギュラーとして出場が濃厚なため、終盤での守備固め等の起用が予想される。

 数年前にはシーズン中に突如引退を表明。キュラソーに帰ると言っていたが、結局オランダに残り最後までプレーしたこともあった。

試合25 打率.302 (86-26) 本塁打2 打点13 盗塁0

ダシェンコ・リカルド(photo:Henk Seppen)

 

14 チャドウィック・トロンプ/Chadwick Tromp 173cm/100kg 1995年3月21日27歳

 アトランタ・ブレーブス 右右 「アルバ」

 メジャーを経験する今大会の正捕手候補。18歳でレッズと契約すると2020年にはサンフランシスコ・ジャイアンツでメジャーデビューすると、この年24試合に出場し13安打、4本塁打、打率.213、OPS645の好成績を残した。しかし、その後は2021年が9試合、2022年は1試合の出場に留まっている。今年出場した試合では3安打3打点2二塁打を記録したが、足を痛めそれ以降の出場のチャンスはなかった。

 代表歴は2016年のヨーロッパ選手権。オランダの優勝に貢献した。前回2017年のWBCでは予備登録選手として登録され、グレゴリウスの負傷に伴いロースター入りしたが出場はなかった。

 今大会では正捕手として期待される。メジャーの舞台で経験した投手がほとんどいない中、彼がそこを埋めるリードができるか期待される。打線でも、下位に彼がいれば非常に強力な打線になるは間違いない。

試合70 打率.253 (249-63) 本塁打12 打点41 盗塁0 (AAA)

チャドウィック・トロンプ(photo:Henk Seppen)

 

26 シクナーフ・ロープストク/Sicnarf Loopstok 175cm/97kg 1993年4月26日 29歳

 アムステルダム・パイレーツ 右右 「アルバ」 キャッチャー、ファースト

 西オクラホマ大学でプレー後、クリーブランドインディアンスから13巡目でドラフト指名され7年間マイナーでプレーした捕手。最高では2018年にダブルAまで昇格し、58試合で打率.225、9本塁打、35打点、OPS.779の成績を残したが、翌2019年にリリースされた。2021年からはオランダホーフトクラッセアムステルダムに加入。初年度でオランダシリーズ優勝に貢献した。

 代表デビューは2019年のプレミア12。そこから五輪最終予選、2022年のハーレムホンクボルウィークと続けて代表入りしている。

 パンチ力も備えた中距離打者で、ここ2年は続けて3割を超える打率を残している。正確な2塁へのスローイングも見ものだ。トロンプをバックアップする役割が期待される。

試合23 打率.320 (75-24) 本塁打4 打点15 盗塁0

シクナーフ・ロープストク(photo:Phrake Photography)

 

【内野】7人

7 シャーロン・スホープ/Sharlon Schoop 188cm/86kg 1987年4月15日35歳

 アムステルダム・パイレーツ 右右 「キュラソー」 ショート、サード

メジャーリーガーであるヨナサン・スホープの兄。2009WBCから代表入りし、2011ワールドカップでは弟と並んで6番、7番に座り優勝に貢献した。その大会の準決勝韓国戦では逆方向に3点本塁打を放ったような長打力もある。2014年のユーロでも代表入りし、ショートを務め、守備面でも高い能力を見せた。中位でのクリーンアップが残したランナーを返す、勝負強い打撃に期待したい。

 アメリカでのプレーは2018年が最後でメジャーの舞台を経験することはできなかった。2019年からはホーフトクラッセアムステルダムに加入。中軸とショートを務め、オランダシリーズでは決勝のホームランを放つなど主力として活躍した。来年はアムステルダムのメインスポンサーが撤退し高給を支払うことが難しくなるが、去就が注目される。

 メジャー組の強力内野陣の中で、出番は限られるだろうが、どこまで存在感を示せるか。

試合23 打率.300 (80-24) 本塁打4 打点19 盗塁3

シャーロン・スホープ(photo:Henk Seppen)

 

18 ディディ・グレゴリウス/Didi Gregorius 185cm/84kg 1990年2月18日32歳

 フリーエージェント 右左 「キュラソー/オランダ」

 レジェンドジーターの後継者として5年ほど強豪ニューヨーク・ヤンキースショートストップを務めた選手。高い身体能力を生かしたショートでの守備とパンチ力を秘めた打撃が売りの選手だ。

 2011年IBAFワールドカップでオランダが優勝した際には、2番ショートとして美技を披露しチームの優勝に大きく貢献した。

 メジャーリーグでのキャリアはシンシナティレッズで始まり、ダイヤモンドバックスで2年間ショートのレギュラーとして奮闘した。その後チームのキャプテンであり正ショートのジーターが引退したヤンキースに後継者と目されてトレード移籍。移籍1年目は安定した守備でレギュラーを勝ち取ると、2年目からは3年連続で20本塁打以上を記録した。

 前回大会では1次ラウンドの台湾戦では5対4とビハインドの8回裏に同点となるタイムリ二塁打を放ったのが印象的な活躍だ。今大会も下位打線で貴重な役割を担う。

試合63 打率.210 (214-45) 本塁打1 打点19 盗塁1

ディディ・グレゴリウス(photo:Henk Seppen)

 

9 アンドレルトン・シモンズ/Andrelton Simmons 188cm/77kg 1989年9月4日 33歳

フリーエージェント 右右 「キュラソー」 ショート、サード

 世界ナンバーワンショート。ゴールデングラブ賞をはじめとしたメジャーの守備関連の賞の常連だ。投手として160近いボールを投げていた強肩をいかしたダイナミックなプレーが自慢だ。

 ドラフト時、各球団が投手として彼を指名する中、唯一内野手として指名したのがブレーブス。3年目にメジャー昇格を果たすと、月間優秀新人賞を獲得するとその勢いのままレギュラーを獲得した。2013年にはオランダ代表に初招集。1番ショートとして全試合に出場すると、キューバ戦では値千金の同店2ランホームランを放つなど大活躍。その試合にサヨナラ勝利したオランダはベスト4入りを果たした。

 前回大会でも主に1番ショートとして出場。2次ラウンドの日本戦、準決勝のプエルトリコ戦のいずれも2安打を放ち打線を引っ張った。

 2020年まではロサンゼルス・エンゼルスに所属し、大谷翔平のチームメイトとして日本のファンにもおなじみ。今大会で日本と対戦し、大谷投手と相まみえるのが楽しみだ。

試合34 打率.173 (75-13) 本塁打0 打点7 盗塁4

アンドレルトン・シモンズ(photo:Louie Jay Sienders)

 

7 ヨナサン・スホープ/ Jonathan Schoop 185cm/88kg 1991年10月16日31歳

デトロイト・タイガース 右右 「キュラソー」 セカンド、ファースト

 パンチ力を秘めた大型セカンド。メジャーの舞台で4年連続20本塁打以上、2017年には160試合に出場し打率.293、32本塁打、105打点を記録したスラッガーだ。

 代表入りは4度目。1度目は2011年のワールドカップ。サードのレギュラーフィンス・ローイが負傷したため、急遽レギュラーに抜擢された。安定した活躍はできなかったが、決勝のキューバ戦で値千金のセンター前タイムリーを放ち優勝に大きく貢献。兄シャーロンと6,7番で並んで打線をはった。

 2度目は2013年WBC。一回り成長したヨナサンは2番セカンドのレギュラーとして2本のホームランを放った。この大会の活躍がその後のメジャーでの活躍の足掛かりになったのは間違いない。前回大会でも対日本戦で石川投手からホームランを放っている。

 年齢も30歳を過ぎ、昨年はレギュラー定着以来最低の成績だった。WBCを足掛かりにこれまでの輝きを取り戻すシーズンにしたい。

試合131 打率.202 (481-97) 本塁打11 打点38 盗塁5

ヨナサン・スホープ(photo:Henk Seppen)

 

2 サンダー・ボガーツ(ボーハーツ)/Xander Bogaerts 191cm/84kg 1992年10月1日30歳

サンディエゴ・パドレス 右右 「アルバ」 ショート、サード

 現在のメジャーでも屈指のショートストップ。2014年にレギュラーを奪って以来、打率3割超えが4回、本塁打20以上も4回と強豪ボストンの不動のショートストップとして君臨してきた。2023年からはパドレスへ移籍。

 オランダ代表は前回大会来3度目。2013年WBCでは、まだ打撃が粗削りで結果を残すことができなかったが、2017年には主に3番として打線の中軸を担った。ただし、打率は.227と印象的な活躍はできなかった。

 今大会でも3番などの中軸に入ることが予想される。バレンティンが大ベテランの域に達しており、数年前のような第一線での活躍が期待できないため、彼の役割がより大きくなる。本職はショートだが、前回大会は豪華な内野手の中で、シモンズがいるためサードで起用された、今回も同様の起用が予想される。

試合150 打率.307 (557-171) 本塁打15 打点73 盗塁8

サンダー・ボーハーツ(photo:Henk Seppen)

 

13 ジュレミ・プロファー/Juremi Profar 185cm/83kg 1996年1月30日 27歳

 レオン(メキシコ) 右右 「キュラソー」 サード、ファースト

 ジュリクソン・プロファーの弟。2013年にテキサスレンジャーズとマイナー契約で入団。2019年までの7年間プレーしたが、メジャー昇格は果たせなかった。主戦場はダブルAで通算成績は297試合で打率.262、30本塁打、144打点、OPS.699だった。マイナーリリース後は中南米ウィンターリーグメキシカンリーグなどでプレーしている。

 代表デビューは2016年秋に開催された侍ジャパンとの強化試合。その後は2919年のプレミア12、2021年の五輪最終予選で選出されたが、目立った活躍はできていない。

 マイナーでも年間二桁の本塁打を打つパンチ力を持ち合わせている。内野の最強布陣を考えるとスタメンでの起用はほとんどないため、試合終盤での代打起用などが予想される。

試合6 打率.261(23-6) 本塁打0 打点2 盗塁0

ジュレミ・プロファー(photo:Phrake Photography)

 

40 ザンダー・ウィール/Zander Wiel 190cm/99kg 1993年1月11日 30歳

 ハイポイント・ロッカーズ(米独立) 右右 「キュラソー」 ファースト、レフト

 父親にキュラソー出身の元バスケ選手・指導者を持つアメリカ人選手。

 ミネソタ・ツインズより12巡目でのドラフト指名を受け、9年間マイナーレベルでプレーした。最高位のトリプルAでは、143試合の出場で打率.248、本塁打27、打点85、OPS.813の成績を残した。今季はアメリカ独立のアトランティックリーグで32本塁打98打点を挙げている。

 オランダ代表歴はなく、今回が初めての選出となる。これまでオランダ代表のファーストはベテランのデカスターやスミスが務めてきたが、彼らも年齢により引退。その穴を埋める存在となり得る。 トリプルAでは1シーズンで24本塁打を放った年もあり、長打力に期待できる一方、三振数が多く四球が少ない。こうした点もマイナーを解雇された理由と言えるだろう。

試合115 打率.260 (384-100) 本塁打32 打点98 盗塁11

ザンダー・ウィール(photo:Phrake Photography)

 

【外野】4人

4 ウラディミール・バレンティン/Wladimir Balentien 188cm/100kg 1984年7月2日38歳

無所属 右右 「キュラソー」 レフト、ライト

 日本シーズン最多本塁打記録保持者。いわずと知れたヤクルトの最強助っ人だ。

 2013年大会ではWBCに合わせて早めに調整したためシーズンに入っても体調が万全で後半にバテず、夏場に本塁打を連発日本球界最高の60本を記録した。2017年大会でも4番としてチームをひっぱり、日本戦、準決勝のプエルトリコ戦でそれぞれ重要な局面で本塁打を放ち、勝負強さを改めて示した。

 日本球界ではヤクルト在籍9年間で8度の30本塁打以上とレジェンド級の成績を残したが、2020年から移籍したソフトバンクホークスでは、2年間で14本塁打、打率は1割台と低迷し、日本球界を離れている。昨シーズンはメキシカンリーグでプレーした。

 今大会での現役引退を表明しており、昨シーズンはハーレムホンクボルウィークで代表入りし、WBCに向けて入念に準備している。40代に差し掛かるベテランが、最後に勇姿を見せられるか。

試合18 打率.231 (65-15) 本塁打4 打点11 盗塁1

ウラディミール・バレンティン(photo:Phrake Photography)

 

10 ジュリクソン・プロファー/Jurickson Profar 183cm/83kg 1993年2月20日29歳

フリーエージェント 右両 「キュラソー」 レフト、ショート、セカンド

 トッププロスペクトから着実に階段を登ったメジャーリーガー。アンドリュー・ジョーンズに憧れて野球を始め、2004年にはリトルリーグ・ワールドシリーズでエースとして活躍しチームを躍進させ、準優勝に輝いた。帰島すると島はお祭り騒ぎだったとか。

 内野手としてテキサスレンジャーズと契約すると、メジャーの有望株として名をあげられるようになった。2013年のWBCでは球団の許可が下りなかったのか、最初から出場することはできなかったが、怪我人の代替として準決勝にのみ出場した。

 2017年大会ではセンターで全試合出場。同世代の代表メジャーリーガーのほとんどが内野手のため、外野もできるプロファーはが外野の中心として攻守でチームを引っ張った。くしくも、2020年のサンディエゴ・パドレス移籍後は、所属チームでも外野での出場が増加。今大会でもレフトでの出場が予想される。

 前回大会では主に2、3番として打線を引っ張ったが、準決勝のプエルトリコ戦では初回に痛恨のボーンヘッドをやらかし、接戦を落とす一因ともなった。むらっけを無くし、集中力を極めた先に上位進出が見えてくるはず。

試合152 打率.243 (575-140) 本塁打15 打点58 盗塁5

ジュリクソン・プロファー(photo:Henk Seppen)

 

50 ロジャー・バーナディナ/Roger Bernadina 188cm/95kg 1984年6月12日 38歳

 ロッテルダムネプチューンズ 左左「キュラソー」 センター、ライト

 世界を渡り歩く元メジャーリーガーの守備職人。

 18歳でモントリオール・エクスポズに入団。24歳でメジャーに上り詰め30歳までの7年間で548試合に出場、打率.236、28本塁打、121打点、OPS.661を記録した。特にセンターの守備力は飛びぬけたものがあり、勢いよくダイブしてフライをキャッチする姿に“シャーク”の愛称で親しまれた。

 2017-2018年の2年間は韓国プロ野球起亜タイガースでプレー。2年連続打率3割超え、計51本塁打を放ち優良助っ人として活躍した。その後もメキシカンリーグ台湾プロ野球などを経て現在はオランダホーフトクッラセでプレー。シュアな打撃とダイナミックなセンター守備は健在。

 WBCは2013年ぶりの出場。前回出場時は3番打者としてまだ若かったシモンズやボガーツを引っ張った。今回は下位打線と外野のリーダーとしての役割が求められる。

試合38 打率.364 (140-51) 本塁打0 打点30 盗塁9

ロジャー・バーナディナ(photo:Henk Seppen)

 

77 ジョシュ・パラシオス/Josh Palacios 185cm/90kg 1995年7月30日 27歳

 ピッツバーグ・パイレーツ 右左 「キュラソー」 ライト

 父はプエルトリコ人の元野球選手で、母がキュラソー出身。ブルックリン育ちのアメリカ人。リッチーの兄。

 2016年にトロント・ブルージェイズからドラフト4巡目で指名を受けた。2021年にメジャーデビューするまでは5年間マイナーで研鑽を積んだ。トリプルAの通算成績は98試合で打率.286、9本塁打、50打点。メジャーでは2021年に13試合の出場。2022年にはワシントン・ナショナルズに移籍し29試合に出場したが、未だ確かな爪痕は残せないでいる。今季からはパイレーツへの移籍が決まっている。

 オランダ代表は初選出。2022年秋にキュラソー島で行われた代表合宿“キングダムシリーズ”に参加し、チームメイトとのコミュニケーションは問題ない。今大会では弟共に外野の両翼を担うことが期待される。

試合29 打率.213 (47-10) 本塁打0 打点2 盗塁1

ジョシュ・パラシオス(photo:Phrake Photography)

 

【ユーティリティ】2人

3 リッチー・パラシオス/Richie Palacios 178cm/81kg 1997年5月16日 25歳

 クリーブランドガーディアンズ 右左 「キュラソー」 レフト

 父はプエルトリコ人の元野球選手で、母がキュラソー出身。ブルックリン育ちのアメリカ人。ジョシュの弟だ。

 2018年にインディアンスがドラフト3巡目で指名。マイナーがコロナにより活動停止となった影響もあり、実質マイナーリーグでの経験は2018年と2021年のみ。トリプルAでの成績は82試合の出場で、打率.284、5本塁打、48打点、OPS.838。

 2022年には念願のメジャーデビューを果たし、54試合に出場した。今後更なる飛躍が期待される若手外野手である。

 代表選出は初めてで、兄と同じく2022年秋のキングダムシリーズに参加している。

 大会ではレフトを任されることが多くなるはず。

試合54 打率.232 (112-26) 本塁打0 打点10 盗塁2

Richie Palacios (photo:Louie Jay Sienders)

 

11 レイパトリック・ディダー/Ray-Patrick Didder 175cm/90kg 1994年10月1日

 マイアミ・マーリンズ傘下 右右 「アルバ」 センター、ショート、サード、セカンド

 18歳児にアトランタ・ブレーブスと契約を結び、それから10年間マイナーでプレーしてきた。主戦場だったダブルAAの通算成績は、333試合で打率.233、20本塁打、107打点。

 代表デビューは2019年のプレミア12。守備面では外野とショートをこなし、安打も2本放っている。2021年のヨーロッパ選手権では打率.435、2本の本塁打を放った。

 内外や守れるユーティリティとしての選出で、不測の事態にも十分対応できる。また、昨季は26個の盗塁を決めているため、終盤での代走起用にも対応できる選手だ。

試合109 打率.241 (390-94) 本塁打12 打点42 盗塁26

レイパトリック・ディダー(photo:Phrake Photography)

 選手の写真は以下の写真家の皆さんから提供いただいています。この場を借りてお礼申し上げます。

○ヘンク・セッペン/Henk Seppen

オランダ国内で活動する写真家。野球以外にも様々なスポーツを撮影。前回のWBCではオランダ代表を追いかけながら撮影。過去には熊本で開催されたハンドボールのワールドカップにも来日して撮影した。

 

○フレーク・ボウ/Freek Bouw

アメリアリゾナ在住のオランダ人写真家。アリゾナでのスプリングトレーニングや、マイナーリーグの試合を中心に撮影活動を行っている。

 

○ルイー・ジェイ・シーンデルス/Louie Jay Sienders

ネプチューンズで捕手としてプレーするかたわらクリエイティブな動画・写真撮影、作成を行い代表の広報活動を担っている写真家。彼が広報の職に就いてから代表のプロモーションも幅が広がっている。