蘭野球事始 ~オランダ野球風説書~

自称日本一オランダの野球に詳しいブログ

2012ホーフトクラッセ前半戦2

 
前回の続きです。

ネプチューンズ
去年の2強の一つであるチームです。毎年安定した強さを見せ、オフには十分補強もしました。(くしくもハルマン弟の補強は空振りに終わりましたが、捕手が課題だっただけに…)

今のところさすがと言わせる戦いぶりできっちり0.5ゲーム差の同率2位にいます。マークウェルの5勝は勿論ですが、ヘイステックの防御率0.49は素晴らしい。勝利数は3ですが、かなり安定感をましてますね。彼は代表常連ながら、残念ながらW杯優勝メンバーに入ることができませんでした。その悔しさをバネに今年は一皮剥けてますね!

しかし、野手陣は微妙な状態です。1番のケンプが.265とかなり不調、アメリカ遠征で好調だった4番のアレンズも.282で万全な状態ではありません。さらに、開幕戦あたりはいいところで活躍していた移籍選手のコースターが.194と絶不調。ホームランもまだ出ていません。主力級の選手たちの不調は、強力打線のネプチューンズにとっては痛いところです。それをなんとか補っているのが、去年代表を引退したレヒトや、代表の外野の中心ダーンティ、セカンドを守るダイレらですかね。今まで一貫して1番ケンプ、
9番ダーンティを続けてきたチームもさすがに、ダーンティをトップに上げ、ケンプを6番に下げてきました。その最初の試合で18得点でしたから、まぁいい判断でしょうね。

キンヘイム
3強の一つです。今年は開幕から1番遅くまで負けなかったのがこのチーム。今は2位に付けていますが、エンゲルハルトはもうすでに5ホーマー打点20、去年1000本安打を達成し.400で首位打者を獲ったおじさんクロースターも.345、ADOから移籍でアメリカ遠征で代表入りも果たしたデクーバも.358、サードを守るガリオはなんと.382というブレイクの兆しを見せています。打撃が弱かったチームが今は打撃でチームを引っ張っています。期待されたルーキー、ラシッド・エンゲルハルトは打撃はイマイチですが9盗塁を決めています。投手陣はエースのベルフマンが四勝1.33、ソマーが5勝1.14と2人が安定、
左腕のフェルトカンプは不調ですが、守護神アシェスが5セーブに加えセットアッパーのワルスマが復活し中継ぎには厚みがましてます。

チーム力を磨いたキンヘイムが王者パイレーツを倒すことが出来るのか、注目です。


イオニアーズ
不調ですねー、とにかく打てません。4番として期待されてたモールマンがまだホームラン1本で二割前半、更にはロペス、デュルスマ弟、ロックハートと主力の大半が不調という悲惨な状態です…そこで頑張っているのがデュルスマ兄です。名手だが打撃が貧弱というレッテルを貼られがちですが、去年は三割を超え、今年も.328とチームを牽引。まだまだやれることを証明してます。本国生まれのショートということもあり、僕はかなり好きな選手です。もう一人はプルイマース。右打ちのショートということで、ポストデュルスマとして期待されるイケメンが現在課題の打撃で.299!新天地で代表入りへ猛アピールを続けます。ルーキーで内野の選手(アウセムス、ファンデルメール)らが、かなり良い成績を残していますから、少し上の世代の彼もかなり危機感を持ってプレーしていることでしょう。

投手はイバンスが4勝1.57、マイナーは2勝ながら2.20とだいぶ安定してきましたね。


シーズンでの一位を目指すより、去年同様に確実にプレーオフに出場しそこからの下克上を目論むのがいいでしょうね。



UVV
今現在5位につけています。
いいですねー、1.2番コンビのウェイモウスとファンデルメール。二人とも三割を越え、機動力として得点の足がかりとなっています。それをロンブリー、サンボーエが返すといういい流れを作ってます。しかし、ホームランはチームでまだ出ておらず、長打力が課題です。

投手はエースのイェンテマを中心になかなか頑張っていますね。

ユトレヒトはヨーロッパ野球選手権の会場にもなり、ファンも熱いです。プレーオフに入ることができればもっともっとこの地に野球が根付いていくでしょう。


ADO. HCAW フェイエノールト

正直この3チームはプレーダウンを見据えるしかありません。この3チームの上2チームは調子のいい選手もいて、それなりにいい試合もしています。しかし、最下位のフェイエノールトに関してはまだ1勝です。くしくもオランダにはプレーダウンという制度がありシーズンの最下位になってもまだチャンスがあります。プレーダウンまでに少しでもチームに勝つための形を作り雰囲気を高め、一部に残るんだという強い気持ちを一人ひとりがもつことが重要ですね。ミーティングもかなりしているようなので今後に期待ですね。


以上が前半戦の振り返りです。